Santa Fe
中森 '14年に「児童ポルノ禁止法」が制定されたとき、撮影時点で彼女は「まだ17歳だった」という話が出た。国会でも議論になりましたね。 篠山 これはハッキリ言っておくけど、撮影は6月に行ったので(宮沢は4月生まれ)、18歳になっていた。撮った僕が言うんだから間違いない。
篠山 ...僕の好きな女性画家のジョージア・オキーフと写真家のアルフレッド・スティーグリッツがサンタフェを拠点にしていて、僕にとってあそこは創作の「聖地」なんだ。
篠山 ...唯一りえから要望があったのは「一枚一枚切って、お部屋に飾ってもいいなあ……って思える写真にしてほしい」だった。僕は写真として一枚一枚が完成してないと駄目だってことだと理解した。
タナカ 『サンタフェ』は販売戦略にもインパクトがありました。何と言っても発売1ヵ月前(10月13日)に掲載された新聞の「全面広告」ですよ。
中森 朝、新聞を開いたらいきなり「宮沢りえの裸」が載っているわけだからね。出版社には30万件以上の問い合わせが殺到して、電話がパンクしたらしい。
篠山 新聞広告を提案したのもりえママだった。「やるなら派手にやったほうがいい」とね。
タナカ 当時の新聞は今以上に真面目なメディアとしての認識があった。そこにヌード写真集の広告が、それも全面広告で掲載されたことは、新聞史上にも残る快挙です。
('91年出版)今年の11月で25年が過ぎたわけですが、発行部数155万部は、写真集として今も破られない世界記録です。
タナカ 広告からちょうど1ヵ月後についに発売の日が来る。今でも憶えているけど、発売日には書店に長い列ができて、その様子がニュースでも報道されました。
中森 手に入れた男性をレポーターが取材するんだけど、著作権の関係で写真自体はテレビで映せない。そこで画に描いた写真のカットを見せて、カメラマンの加納典明さんが解説していた。あれも前代未聞でしょ。
著作権の問題はないと思う。ニュースに裸を映さないだけでは?基素.icon
篠山 ...親父が買ってきて家族で見たという人も多くいた。エロではなかったから、誰でも見ることができた。
学級文庫にもあったくらいだから。